弊所が主催するバリント・グループワークも10年目になりました。
本日は、2025年度の初回。ケース検討の前に、バリントGWの意義や目的を共有しました。
マイケル・バリント博士が構築したバリントGWの目的・・・
・より良い治療者ー患者関係の構築のための省察的教育方法
・治療者と患者の間に何が起きているかを、詳細に捉えることは治療上重要
・転移・逆転移(陰性感情・陽性感情)の客観視と言語化
永田勝太郎先生が常々おっしゃっていたこと・・・
・依存から自律へ向かわせるのが治療
・治療者と患者さんは相互主体的に治療へ取り組む姿勢が大切(一貫性のある態度)
・症例ひとつ一つ、丁寧に大切に考察すること(全人的理解)
・訓練を積むこと(治療的自我の構築)
バリントGWは、患者さんと向き合うための治療者の訓練(自我と向き合う)場なんですね。
提示された症例に自分事として向き合うことで、自身の感情や思考に気づきます。
それを言語化することが大切です。医師のスーパーバイズも受けられる貴重な機会です。
行き詰まっている症例や、意見交換したいテーマを持ち寄り、ぜひご参加ください。
ビジターの方も大歓迎です!
<今回の症例>
PTSDと発達障害の診断を受けた患者Aさんの症例でした。Aさんは過去の記憶が空白で、家族や他者との関係に課題がありそうです。心理士との面談を通じて、Aさんは少しずつ自分の気持ちを表現できるようになってきており、心理士はAさんにとって重要な他者となっています。現在の夫との関係や「愛」の概念についても話し合いが行われました。参加者からは、Aさんの家族背景や自尊心の問題、心理士との関係性について質問や意見が出されました。次回は、Aさんの問題と資源を整理し、支援方法についてさらに議論する予定です。
バリント・グループワークは、毎月第3水曜日 18:30〜20:00 に行っています。
次回は、5月21日(水)です。お申し込みは、こちらから↓
https://www.compmed.jp/2025バリントグループワーク/
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