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ロゴセラピーの技法:逆説志向

実存療法(ロゴセラピー)には、逆説志向と呼ばれる技法があります。

 

永田勝太郎先生は、逆説志向について下記のように書いておられます。

 


(以下は、永田勝太郎 著『〈死にざま〉の医学』( 2006. 日本放送出版協会)の一部を要約しています。)

 

実存分析の2つの具体的技法

実存分析の技法の一つが逆説志向です。

 

逆説志向とは、

ある症状が現れるのではないかという「期待不安」に対して、

その不安から逃避しようとするのではなく、

むしろ逆に積極的にその不安を起こさせようとする技法のことです。

 

ある症状のために、恐怖感が出現し、その恐怖により、さらに症状が増悪するという悪循環に陥っている時に、その悪循環を断ち切るために、患者の心の態度(あり方)を変容させるのです。

 

一般的に、人間はこうした恐怖を避けようと回避しますが、

逆説志向では、恐怖にとらわれていることから逃避しようとはせずに、

むしろ、積極的にその恐怖が起こる方向へとこころを向かわせるように態度を変容させます。

症状の改善は、患者の症状に対する態度が変容した時に起こってきます。

 

この方法は、ブラック・ユーモア江戸落語によく現れていて、そこでは、”にもかかわらず笑う”という、運命に翻弄されながらもしたたかに生きて行く人間(庶民)の姿があります。


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