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「こころを癒し からだを癒す 全人的医療の知恵」永田勝太郎 著

「こころを癒し からだを癒す

 全人的医療の知恵」

 海竜社. 1997

 著者 永田勝太郎 

 

全人医療に生涯を捧げた永田勝太郎先生が、全人医療の知恵を人々の日常生活に活かしてほしいと願って著した本書。

ぜひご一読ください。

 


 

 医学・医療の基盤はサイエンスとヒューマニズムである。すなわち、医学・医療は自然科学、人文科学、社会科学などの各領域のサイエンスから得られた多くの知識、技術の結晶を、医療職一人ひとりがそのヒューマニズムにより、智慧のレベルにまで昇華させてゆくところに成り立つ。

 

 こうしたヒューマニズムを、医学教育では、医師としての「態度」と言う。

 

 態度とは患者を人間(全人ーー身体・心理・社会・実存的存在)として理解してゆこうという医療職の姿勢である。

 いかなる場合においても、平常心で事実を向かい合い、情報を得、冷静に分析し、かつ患者という個の中に統合し、決してあきらめることなく対処してゆけるような治療者としての温かい人間性である。

 自らの医療に責任を持ち、患者の自律性を尊重し、医療職であることに生きる意味を持ち、一貫した医療観、健康観、死生観を持つことが態度の基盤である。

 

 言わば、医療は知識、技術、態度の総合体であり、人類の叡智の賜物である。

(「はじめに」より)

 


患者は病を持った人間である。

死ぬまで尊厳性を失わないやさしい医療、

苦しくない医療、

人間的な医療がここにはある。

 

QOL(生命の質)を追求する医療現場からの臨床レポート。 

 

【目次】

まえがき

第1章 QOL(生命の質)を高める全人的医療

シゲさん奇跡はなぜ起きたか

患者は病を持った一人の人間である

血圧はただ下げれば良いというものではない

QOL(生命の質)を高める医療とは?

人間はたえず心身一如の存在である

QOLを低下させる血行障害

第2章 痛みからの解放に挑戦する

自分のこころやからだへの気付きを的確に持つ

痛みは人間としての尊厳性まで失わせる

痛みの訴えはコミュニケーションの手段である

患者は一人ひとり別の人格である!

患者は百の理屈より一つの速効的鎮痛を待っている

困ったことが起こると痛みの中に逃げ込む人

笑いは痛みの治療に効く

痛みは脳で感じる

第3章 人間を歪めるストレスを全人的アプローチで追放する

突然死の危険がいっぱい!冠状動脈性格という名のがんばり屋さん

燃えつき症候群にならないために

このイライラ感はどこからくるのか

季節の変わり目の不調はからだからの警告

思春期の子どもを悩ます起立性低血圧

全人的アプローチで一週間で立ち直った女子大生

絶食療法で前向きなエネルギーを取り戻す

良い休息は良い仕事につながる

第4章 こころを癒しからだを癒す東洋医学のパワー

受験の精神的緊張に耐えられなかった中学生

絶食療法でアトピー性皮膚炎を治す

不安定高血圧を心身医学と東洋医学で治療する

拒食症から立ち直らせたもの

なぜカリフォルニアには東洋医学が普及しているのか

やさしい医療、苦しくない医療、人間的な医療

未病を治す東洋医学のパワー

心身医学は西洋医学と東洋医学のかけ橋

現代医学ができること、伝統的東洋医学ができること

第5章 死を選択する、尊厳ある最期を創造する

死を選択する権利

QOLを求める死へのプロセス

積極的安楽死事件はこうして起こった

死に様は生き様である

定年の日から始まった空白の日々

痴呆にも死に様を選択する権利がある

あとがき

 


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