『実存カウンセリング』
駿河台出版社、2002年
永田勝太郎 著
永田先生は、フランクル先生に初めて出会った1990年から、フランクル先生が亡くなる1997年まで、何十回とウィーンまで足を運び、ご自身が手探りで行っていた実践を報告し、評価や指導を受けてこられました。
その成果をまとめたのが本書です。
「実存カウンセリングは机上の学問ではない。体験と実践の中から生まれ出たものである。これは人間理解の本質的な方法である。心理学やカウンセリングを学ものにとり、必須と言えよう。」と永田先生は書いておられます。実存分析(ロゴセラピー)に関心のある方の必読書としてお勧めしたい一冊です。
【目次】
まえがき
第一章 実存カウンセリングとは(概論)
一.実存分析とは、その歴史と展開
二.実存分析の理論
三.実存分析の技法
四.実存分析の適用と選択
五.例:糖尿病と実存カウンセリング
六.実存カウンセリングの効果
七.おわりに
第二章 全人的医療と実存分析
一.実存的視点は全人的医療の核
二.全人的医療の3ステップ
三.全人的医療の第一ステップと実存分析
四.全人的医療の第二ステップと実存分析
五.全人的医療の第三ステップと実存分析
六.おわりに
第三章 実存カウンセリングと治療的自我
一.今日の医療の特徴:自律性と医療不信
二.医療者の態度と哲学
三.態度とコミュニケーション
四.医療におけるコミュニケーションの実情
五.医療者の態度の具体的内容
六.態度教育:バリント方式のグループワーク
七.実存カウンセリングと治療的自我
第四章 ストレス・コーピングと未病 ー突然死と実存カウンセリング
一.はじめに
二.全人的な健康の創造
三.突然死の症例
四.瘀血と失意味症
五.本症例の突然死の予兆
六.実存分析学的視点から見たストレス・コーピング
七.おわりに
第五章 教育現場と実存カウンセリング
一.はじめに
二.拒食症(神経性食欲不振症)の子ども
三.拒食症という現代病
四.意味の喪失の時代
五.思春期患者の特徴
六.思春期患者のライフ・レビュー・インタビュー
七.ライフレビューインタビューの事例
八.おわりに
第六章 短期に軽快した神経性過食症
一.はじめに
二.症例の提示
三.症例の経過
四.本症例での考察
五.おわりに
第七章 起立性低血圧によるめまいと不登校
一.はじめに
二.症例の提示
三.本症例での考察
四.起立性低血圧とめまい
五.起立性低血圧の治療と医療職の役割
第八章 高齢者の医療と実存カウンセリング
一.全人的医療からみた高齢者の特徴
二.高齢者の身体的特徴
三.高齢者の心理・社会的特徴
四.高齢者の実存的問題
五.ケア・ギバーとしての医療職の役割
六.QOL (quality of life) :生命の質と高齢者医療
七.治療方法の分類
八.希望の小窓
九.高齢者のライフ・レビュー・インタビュー
十.おわりに
第九章 ターミナルケアと実存カウンセリング
一.はじめに
二.ターミナルケアにおける実存カウンセリングの意味
三.従病(しょうびょう)的態度に至った患者群の行動特性
四.従病を為し遂げた老婆
五.ターミナルケアとライフ・レビュー・インタビュー
六.おわりに
第十章 ライフレビューインタビューの実際 ーターミナルケアを通して
一.はじめに
二.ターミナルステージの問題点
三.ターミナルケアにおけるライフ・レビュー・インタビューの意義
四.ライフレビューインタビューのポイント
五.ライフレビューインタビューによるターミナルケアの実例
六.おわりに
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