「痛み治療の人間学」
永田勝太郎 著
朝日新聞出版. 2009年
痛みをライフワークとして長年研究・治療し続けた永田勝太郎先生が、 全人的医療の観点から西洋医学、東洋医学、心身医学を統合した新しい医療のあり方を提示しています。
【目次】
序文 痛みに苦しむ人たちのために
痛みとは / 痛みと生きざま / 痛みをライフワークに /学生グループ「現代医学の思想と方法論」 / 痛み学の研修 / 「人生はあなたに絶望しない」 / 本書の構成について
1 身近な痛み―頭痛、腹痛、腰痛
◾️頭痛:頭痛とだるさ / 外来にて / 頭痛と血圧 / 低血圧とうつ
◾️腹痛:夜半の腹痛 / 戦争体験と痛み / 腹部のガスと痛み
◾️腰痛:8対2の法則 / 腹診 / みねさんの特訓
◾️肩の痛み・眼の痛み:ビッグプロジェクトのあとで / 瘀血と胸脇苦満 / 身近な痛みの治療のコツは
2 痛みとは何か
慢性の痛みとは / 「痛い!」は「助けて!」 / 痛みセンサーを刺激して起こる侵害受容性疼痛 / 非侵害受容性疼痛 / 精神疾患と痛み / 慢性の痛みの謎 / 機能性身体症候群(FSS) / 医療面接 / サルトジェネシス(健康創成論)という考え方 / サルトジェネシスと人生への姿勢 / 慢性の痛みの治療の原則 / 手を当てること / 治療を妨げる阻害因子 / 慢性の痛みを訴える患者さんへの全人的アプローチーーバリント療法 / 慢性の痛みを持つ患者さんの心理 / 実存分析 / 実存分析の技法 / チューニング・イン / 慢性疼痛の全人的医療
3 線維筋痛症(心身症型)の痛み
線維筋痛症とは / 「私は何科の患者?」/ 迷って医者を転々と・・・ / 診察室で / 痛みのある患者さんが持つ医療不信 / 生きざまが複雑に絡んだ痛み / 線維筋痛症は複雑な機能的病態 / 身体因性偽神経症 / 患者さんの「問題」と「資源」ーー患者評価表の作成 /島田さんの痛みへの全人的なアプローチ / 生きざまを変えることの困難さ / 患者さんのポジティブな点=資源を探る / 線維筋痛症と血流 / 血行動態不良症候群ーー全身血流の異常 / 温泉療法 / 温泉宿で / 湯あたり / 音楽療法 / 温泉療法のあと / 温泉療法への動機付け / 温泉ロゴセラピー / 非日常ということ / 湯あたりは脳のリセットーー脳派と心拍変動のスペクトル解析から / 痛みと記憶 / 本章の終わりに
4 線維筋痛症(神経症型)の痛み
線維筋痛症患者さんの2型 / えりかさんの全身痛 / 治療ーー薬物と温泉ロゴセラピー / 「今日の出来事」のなかで / 虐待歴 / 3人の優しい人たちーー妄想 / 「過去は私の宝物」! / 妄想と退行 / 線維筋痛症神経症型の失敗例
5 難治性の痛み疾患ー複合性局所疼痛症候群
痛みそのものが病気 / 反射性交感神経性萎縮症の桃香さん / 伸びた爪 /将来のこと / 絵を学ぶ / 「私、デザイナーになる!」 / 将来への不安 / 治療者と患者さんのタイミング
6 がんの痛み
増え続けるがん患者 / 子宮がんの幸子さん / ホスピスへの道 / 海へ / 病院で / 包括的な治療 / 孤独と絶望 / 希望と愛 / サルトジェネシス / トータルペイン / モルヒネの副作用 / 死を意識して生きる / がんの従病の例 / がんの自然退縮の例 / 具体的な治療方法 / 究極の意味 / 突然の事故 / ショシャール教授の教え / 愛の力
7 痛みの積極的診断
疼痛患者の積極的評価
8 痛みの東洋医学・統合医療
東洋医学的診断と統合医療 / 東洋医学の概念 / 5点法で評価 / 瀉法と補法 / 現代医学のピットフォール / 補法の重要性 / がんの痛みと漢方薬 / 鍼の歴史 / 鍼の特質 / 鍼と血行動態 / 鍼と17-OHCS(OH)、17-KS-S(S)、S/OH比 / 鍼と酸化バランス防御系 / 向ホメオスタシス機能ーー鍼の効果
あとがき
参考文献
